エコキュートの点検・交換をめぐるトラブルが増えている

エコキュートを含む給湯器では、突然の電話や訪問をきっかけとした点検商法のトラブルが報告されています。
国民生活センターによると、全国の消費生活センター等に寄せられた給湯器の点検商法に関する相談件数は、2018年度の206件から2022年度には561件まで増加。
さらに2023年度は、2023年12月31日時点で1,099件に達しており、前年同期の335件と比べて約3倍に増えています。
| 年度 | 相談件数 |
|---|---|
| 2018年度 | 206件 |
| 2019年度 | 241件 |
| 2020年度 | 245件 |
| 2021年度 | 335件 |
| 2022年度 | 561件 |
| 2023年度 | 1,099件(12月31日時点) |
※出典:独立行政法人国民生活センター「給湯器の点検にご注意ください-70歳以上の高齢者を中心にトラブル急増!-」(2024年2月21日公表)
特に注意したいのが、高齢者を狙った勧誘です。
同センターによると、2023年度に寄せられた相談では、契約当事者の7割以上が70歳以上でした。
相談事例には、電話で給湯器の点検を持ちかけて訪問し、点検後に交換を勧めるケースのほか、「自治体から依頼を受けた」「契約しているガス会社から依頼された」などと、消費者が信用しやすい説明をして訪問するケースも紹介されています。
そのため、「無料点検だから」「自治体やガス会社の関係者だと言っているから」という理由だけで、すぐに信用するのは避けましょう。
なお、国民生活センターが注意喚起しているのは「給湯器の点検商法」であり、相談事例のすべてが法律上の詐欺に該当するわけではありません。
関連記事:悪質業者に注意!エコキュート交換で起こりがちなトラブル事例
エコキュート詐欺で注意したい代表的な手口

エコキュートや給湯器をめぐる悪質な勧誘では、最初から商品を売り込むのではなく、「点検」をきっかけに自宅を訪問し、その後に交換を勧めるケースがあります。
特に、突然の電話や訪問から始まる場合は注意が必要です。
ここからは、国民生活センターが公表している給湯器の点検商法の相談事例をもとに、警戒したい代表的な手口を紹介します。
「無料で点検します」と突然連絡してくる
代表的なのが、電話や訪問で「給湯器を無料で点検します」などと持ちかけるケースです。
無料という言葉から気軽に点検を依頼してしまい、その後、新しい給湯器への交換を勧められて契約したという相談事例が報告されています。
無料点検そのものだけで悪質業者と判断することはできませんが、自分から依頼していない業者から突然点検を持ちかけられた場合は、その場で承諾しないことが大切です。
自治体やガス会社の関係者を装う
「自治体から委託されている」「契約中のガス会社から依頼を受けている」などと説明し、信用させようとするケースもあります。
普段利用している事業者や公的機関に関係していると思えば、警戒せず自宅へ入れてしまう可能性があります。
相手が自治体や契約先との関係を名乗った場合でも、その場で信用せず、いったん対応を断ったうえで、自治体や契約中の事業者へ自分で問い合わせて事実を確認しましょう。
「このままでは壊れる」と不安をあおる
点検後に「このまま使っていると壊れる」などと説明し、消費者の不安をあおって交換を勧めるのも、国民生活センターが指摘している問題点のひとつです。
給湯器に詳しくなければ、専門業者から故障の危険性を指摘されると、その場で交換しなければならないと考えてしまうかもしれません。
しかし、本当に交換が必要なのか判断できない場合は、その場で契約せず、普段利用している業者やメーカー、別の専門業者にも確認してもらいましょう。
「今日なら安くなる」と契約を急がせる
「今契約すれば割引できる」など、その場での契約を迫る手口にも注意が必要です。
期限を強調されると、他社の価格を調べたり家族へ相談したりする時間がなくなり、提示された金額が適正なのか判断しにくくなります。
「今日だけ」「今決めれば安くなる」などと即決を求められても、その場では契約せず、一度冷静になって見積もりや会社情報を確認することが重要です。
点検から高額な交換契約へ誘導する
当初は点検だけのつもりだったにもかかわらず、最終的に高額な給湯器交換の契約へ進んでしまうケースも報告されています。
エコキュートの交換にはまとまった費用がかかるため、突然訪問してきた1社だけの説明で決めるのは避けたほうがよいでしょう。
交換が必要と言われた場合でも、故障箇所や交換が必要な理由を確認し、可能であれば複数の業者から見積もりを取って比較することをおすすめします。
エコキュートの悪質業者を見分けるポイント

悪質な勧誘による被害を防ぐには、契約する前に「信頼できる業者なのか」を確認することが大切です。
次のような特徴が見られた場合は、その場で契約せず、会社情報や見積もり内容をあらためて確認しましょう。
突然訪問して点検を勧めてくる
自分から依頼していないにもかかわらず、突然訪問して「給湯器の点検時期です」「無料で確認します」などと点検を勧めてくる場合は注意が必要です。
国民生活センターも、電話や訪問で突然給湯器の点検を持ちかける業者には安易に点検させないよう注意を呼びかけています。
点検が必要か気になる場合は、突然訪問してきた業者へ任せるのではなく、現在利用している販売店やメーカー、信頼できる専門業者へ自分から相談しましょう。
会社名や身元をはっきり説明しない
会社名や所在地、連絡先などを明確に説明しない業者にも注意しましょう。
名刺やWebサイトがあるからといって必ず信頼できるとは限りません。会社概要や所在地、固定電話番号、施工実績などを確認し、実態のある事業者なのかを調べることが大切です。
故障の根拠を示さず不安をあおる
「すぐ壊れる」「このままでは危険」などと説明する一方で、具体的な故障箇所や交換が必要な理由を説明しない場合は慎重に判断しましょう。
本当に不具合がある場合でも、故障箇所や症状、修理の可否などについて説明を受けたうえで判断することが重要です。
その場で契約を迫る
「今日契約しなければ値上がりする」「今なら特別価格にできる」などと伝え、考える時間を与えない業者にも注意が必要です。
エコキュートは高額な住宅設備です。急な故障などを除けば、家族への相談や他社との比較を行ってから契約しても遅くありません。
見積もりの内訳が不明確
「エコキュート交換一式」とだけ記載され、本体価格や工事費、追加工事の条件などが分からない見積もりは、十分に内容を確認しましょう。
信頼できる業者を選ぶためには、総額だけでなく、使用する機種や工事範囲、撤去・処分費、保証などを確認することが大切です。
相場と大きく異なる金額を提示する
相場より極端に高い見積もりはもちろん、反対に極端に安い広告にも注意が必要です。
安く見えても、実際には必要な工事が別料金になっている場合があります。複数社から同じ条件で見積もりを取り、総額と工事内容を比較すると判断しやすくなります。
突然の訪問、不安をあおる説明、即決の要求などが重なった場合は特に注意し、その場では契約しないことが被害防止につながります。
突然エコキュートの点検業者が訪問してきたときの対処法

突然「エコキュートを点検します」と訪問された場合、その場で点検や契約に応じる必要はありません。
国民生活センターも、電話や訪問で突然点検を持ちかける業者には安易に点検させず、その場ですぐに契約しないよう注意を呼びかけています。
突然の訪問を受けた場合は、次のように対応しましょう。
- 玄関を開ける前に会社名・担当者名・訪問目的を確認する
- 依頼していない点検はその場で断る
- 自治体や契約中の事業者を名乗った場合は、自分で公式窓口へ確認する
- 「すぐ壊れる」などと言われてもその場で交換を決めない
- 見積書や契約書を受け取り、家族や別の業者にも相談する
- 必要であれば複数社から見積もりを取って比較する
特に、相手が「自治体から依頼された」「契約している会社の関係者」などと説明した場合は注意が必要です。
相手から提示された電話番号へ確認するのではなく、自治体や契約中の事業者の公式サイト・契約書などから連絡先を自分で調べて問い合わせましょう。
少しでも「怪しい」「今すぐ決めるのは不安」と感じた場合は、点検や契約を断って問題ありません。
本当にエコキュートの状態が心配であれば、普段利用している販売店やメーカー、信頼できるエコキュート専門業者へ自分から点検を依頼しましょう。
エコキュートの点検・交換を契約してしまった場合の対処法

突然訪問してきた業者とエコキュートの点検・交換契約を結んでしまっても、契約状況によっては解約できる可能性があります。
「高額な契約をしてしまった」「家族に相談したら怪しいと言われた」といった場合は、そのままにせず早めに対応しましょう。
契約書や見積書を確認する
まずは、業者から受け取った契約書や見積書、領収書などを保管し、契約日や金額、事業者名、契約内容を確認しましょう。
電話やメール、SMSなどで業者とやり取りしている場合は、メッセージを削除せず残しておくことも大切です。
クーリング・オフできないか確認する
訪問販売に該当する契約では、法律で定められた書面を受け取った日から原則8日以内であれば、クーリング・オフできる場合があります。
また、書面の記載内容に不備がある場合など、8日を過ぎていてもクーリング・オフが可能なケースがあります。
「すでに工事が始まったから解約できない」と自己判断せず、契約内容に疑問がある場合は専門窓口へ相談しましょう。
消費者ホットライン「188」へ相談する
契約を解除できるか分からない場合や、業者とのやり取りに不安がある場合は、消費者ホットライン「188(いやや!)」へ相談できます。
「188」に電話すると、最寄りの消費生活センターや消費生活相談窓口につながります。
契約してしまったからと諦めず、不審な勧誘や契約内容に疑問を感じた場合は、できるだけ早く消費生活センター等へ相談することが大切です。
なお、クーリング・オフの適用可否は契約方法や状況によって異なります。個別の契約について判断に迷った場合は、消費生活センターなどの専門窓口へ確認しましょう。
エコキュート交換で信頼できる業者を選ぶポイント

悪質な点検商法を避けるだけでなく、エコキュートを交換する際は、安心して工事を任せられる業者を自分で探すことが大切です。
業者を比較する際は、価格だけで判断せず、次のポイントを確認しましょう。
- 会社名・所在地・連絡先などの事業者情報が明確
- エコキュートの施工実績を確認できる
- 複数メーカー・機種から提案を受けられる
- 見積書に本体代や工事費などの内訳が記載されている
- 追加料金が発生する条件について説明がある
- 本体保証・工事保証の内容が明確
- 質問に対して具体的な説明を受けられる
- 契約を急かさず、検討する時間を設けてくれる
特に確認したいのが、見積もりの透明性です。「工事費込み」と書かれていても、配管工事や既存機器の撤去・処分などが別料金になっている場合があります。
可能であれば複数の業者から同じ条件で見積もりを取り、金額だけでなく、機種・工事範囲・保証内容まで比較しましょう。
エコキュートは長期間使用する住宅設備だからこそ、「一番安い業者」ではなく、価格と施工品質、保証、アフターサポートを総合的に比較して選ぶことが重要です。
よくある質問

最後に、エコキュートの詐欺や悪質な点検商法について、よくある疑問をまとめました。
「エコキュートを無料点検します」という訪問は詐欺ですか?
無料点検を案内されたという理由だけで、詐欺と断定することはできません。
ただし、国民生活センターは、電話や訪問で突然給湯器の点検を持ちかける業者には安易に点検させないよう注意を呼びかけています。
自分から依頼していない場合はその場で点検を受けず、必要であれば普段利用している販売店やメーカーなどへ自分から相談しましょう。
「自治体から依頼された」と言われたら信用しても大丈夫ですか?
すぐに信用せず、事実確認を行いましょう。
国民生活センターには、自治体から委託されたと説明して訪問されたという相談事例も寄せられています。
相手から教えられた連絡先ではなく、自治体の公式な窓口を自分で調べて確認することが大切です。
点検後に「すぐ交換しないと危険」と言われたらどうすればいいですか?
緊急性を強調されても、その場で契約する必要はありません。
故障している箇所や交換が必要な理由について具体的な説明を求め、判断できない場合はメーカーや別の専門業者にも確認してもらいましょう。
訪問販売でエコキュートを契約した場合、クーリング・オフできますか?
訪問販売に該当する場合は、法律で定められた書面を受け取った日から原則8日以内であれば、クーリング・オフできる可能性があります。
ただし、適用の可否は契約方法や状況によって異なります。判断に迷った場合は、消費者ホットライン「188」などへ早めに相談しましょう。
悪質な業者か判断できない場合はどこへ相談すればいいですか?
契約や勧誘について不安がある場合は、消費者ホットライン「188」へ相談できます。最寄りの消費生活センターや消費生活相談窓口につながります。
まだ契約しておらず、エコキュートの故障や交換の必要性について確認したい場合は、メーカーや信頼できるエコキュート専門業者へ相談する方法もあります。
まとめ|エコキュートの突然の点検・交換勧誘には注意しよう
エコキュートを含む給湯器では、突然の電話や訪問で点検を持ちかけ、その後に交換契約を勧める点検商法のトラブルが報告されています。
「無料で点検する」「このままでは壊れる」「今日契約すれば安くなる」などと言われても、その場ですぐに点検や契約へ応じる必要はありません。
突然訪問してきた業者から交換を勧められた場合は、会社情報や見積もり、交換が必要な理由を確認し、必要に応じて別の業者にも相談しましょう。
また、すでに契約してしまった場合でも、訪問販売に該当すればクーリング・オフできる可能性があります。
契約内容に不安がある場合は、一人で判断せず消費者ホットライン「188」などへ早めに相談することが大切です。
エコキュート交換でトラブルを避けるためには、突然の勧誘で即決せず、自分で信頼できる業者を探し、見積もりや工事内容を比較してから契約しましょう。